祇園祭っていうと、これまで、人いっぱい!くそ暑い!って印象しかなかったから、大阪にずっといながら一度も行ったことがなかった。とにかく夏の京都は暑いから。テレビなんかで、ちきちんちん、こんちきちんというのを見てただけ。ウッディー3,3人ともそうね。 阪急は烏丸四条で下りて、地上に出たら、いきなり長刀鉾がおわします。インパクト強すぎ。ををーっ、これがいつも祇園祭っていうと、シンボルとして登場する長刀鉾かぁ。ナマで見たことはなくても、祇園祭=長刀鉾というのはちゃんと脳に刻み込まれている。えっとですねぇ、祇園祭の山鉾巡行の順番は毎年抽選で決められるのだが、この長刀鉾だけは別格で、デフォルトで先頭と決まってるのです。つまりシード。 これもきょう初めて知ったことだけど、この山鉾の上に一般の人間も上がることができるのですね。が、さすが、京都であります。拝観料がわりにちまきを買ったら上がることができるわけです。しかもです、この山鉾に上がるのに山鉾の中に階段とか梯子とかついてるわけでなく、山鉾の置かれているすぐ横の建物の二階から、山鉾にブリッジが架けられていて、それを渡って、山鉾の上に上がるというわけです。もちろんちまきは買いませんでした。 それから情けないことに、これもきょう初めて知ったことだけど、そのちまきです。そのちまきは京都の家の軒先に正月の注連縄のように飾られているのですが、てっきりそのちまき食べれるんだと思ってました。一人で行ってたら、山鉾に上がってみたさに、ちまきを買うて、ほら、おみやげにちまき買うてきたでぇーと持って帰って食べようとしたでしょう。笹の葉をむいてびっくり、そのちまきの本体は藁なのです。出町の双葉のちまきは食べれるのにねぇ。 それから、ほんとナマで見てみて初めて知ったことだらけ。祇園祭ってのはいちおう、13日から17日までということになってるんだけど、きょう13日から山鉾を道路に出してもいいというだけで、きょうから表立った準備にかかるというわけです。メインになるでっかい鉾はすっかりでき上がった状態で並んでるのだけれど、その他もろもろの山になると、本体だけで飾り付けはまだの状態。そのすぐ横に格納庫のようなところがあって、そちらに飾りのタペストリーなどが展示されて見れるようになってるのであります。左甚五郎の一刀彫の鯉なんかもあったり、国宝の刀剣だったり、重要文化財に指定されてるのがごろごろ。それにひとつひとつの山鉾に中国の故事などからとったいわれみたいなのがあるんですね。函谷鉾なんてのは函谷関から来てるのでありんす。 それに山鉾がぼっと置いてあるのだとばっかり思ってたら、囲いっていうのか、たいそう立派な白木で囲ってあって、そうそう山鉾に上がるためのブリッジなんかもそうね、これを17日の本番の巡行が始まるときにばーーっと取り払うんだろね。 そう思うと、17日の巡行ってのも生きてるうちに一度は見てみたいと。なんちゅうても、こんちきちんって雅びやかだよね。どこぞの山車みたいに、でやーっと駆け回るんじゃなくて、どうもあの祭りは「これぞ男よ」とアホ丸出しで、近くにいながらも一生見たいって気にはならないね。 まぁなんちゅうか、見る人が見たら、祇園祭なんて京都の人間がお高く止まりやがってと思うんだろうけど、歴史に裏打ちされた京都人の誇りみたいなのが見えてくる。そら、国宝やら重文で祭やってんだからね。