山路を上りながらかふ考へた。 智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角にこの世は住みにくい。住みにくさが高じると、安いところに引き越したくなる。
π=3.14159265358979323846264338327950288419716
と覚えることができて、それが30何年か経た今でも言えるのに、これにあと1ケタ、2ケタ追加するのはどうしてもダメ。何度か試みてるけれどもうこれ以上増やせない。 忘れるというのと覚えられないというのとは違うもの。
ところで『草枕』って、今、こうして書きだしてみたら、『パーマネント・バケーション』じゃないかって(笑) そのあとが「どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。」でしょ。いいねぇ。でも『草枕』の内容はさっぱり覚えておらん。中学生にとって、読み続けるのがとても苦しくてひぃひぃ言いながら、何のこっちゃと思いながら最後まで読むだけ読んだということだけ覚えてる。 いま読み直してみる元気? そんなものはない。多分、あと何年か、何十年か経って死期がいよいよ近づいてきたころに読み直してるかもしれないし、sのときにまた『パーマネント・バケーション』を見直してるのかもしれない。貿易センタービルってのもあったんだなと思いだしながら。