そこは桜の森のちょうどまんなかあたりでした。四方の涯は花にかくれて奥が見えませんでした。日頃のような怖れや不安は消えていました。花の涯から吹きよせる冷たい風もありません。ただひっそりと、そしてひそひそと、花びらが散りつづけているばかりでした。彼は始めて桜の森の満開の下に坐っていました。いつまでもそこに坐っていることができます。彼はもう帰るところがないのですから。 桜の森の満開の下の秘密は誰にも今も分かりません。あるいは「孤独」というものであったかも知れません。なぜなら、男はもはや孤独を怖れる必要がなかったのです。彼自らが孤独自体でありました。 彼は始めて四方を見廻しました。頭上には花がありました。その下にひっそりと無限の虚空がみちていました。ひそひそと花が降ります。それだけのことです。外には何の秘密もないのでした。
で、そいうことはおいといて、きのうに後回しにした『勝訴ストリップ』 いまも聞いてるけど聞けば聞くほど70年じゃないですか、 それできょうの晩はすき焼きだった←自慢してどないする すき焼きのバックに厳正粛々と『勝訴ストリップ』が流れる団欒 B「椎名林檎っていくつくらいやのん?」 M「知らん、23か4くらいちゃうか」 B「せやろなぁ、きっと親、(わたしら歳が)おんなじくらいやねんわ、その親、きっと天井桟敷とか観てやってんで」 M「せやなぁー、あの、あれ・・・・」 B「あれって何やのん、早よ言いぃや」 M「あのあれやんか、ほれ(10秒間口をもぐもぐさせる(爆)) あの、ほら、あれ『たばこの空き箱捨てる』っていう言い回しはそやなぁ」 B「知ってる若い子(若い男とは言ってなかった)で、浅川マキ知ってる、言いやんねん、なんで浅川マキ知ってるん?って聞いたら、親が聞いてたって。」 M「うんうん、あ、ここのギターの入ってきかたなんて70年のまんまやん。あ、そや、ビートルズのミスタームーンライト知ってるやろ ♪みすたぁ〜〜むぅんらい ゆうやつやで」 B「それどないしたん」 M「あれってむちゃくちゃレアらしいねん、ジョンが、あ、あれ、ビートルズのオリジナルちゃうで、カバーやで、ジョン・レノンが(再度虚空を見つめたまま10秒間口をもぐもぐさせる(爆))親のレコード引っ張り出してきたらしいねん、これええやん、これやらへんかぁて」 B「あ、このへんビートルズやん」
ん? これ4つ目やからなに?「弁解ドビュッシー」ね、あぁこれ何かやで、その何かに30年間のフィルターかけたら椎名林檎だって、う〜ん、こないして聞いてたら、「ギプス」なんかまんまやんかぁ、ううう、このギターの入り方臭すぎるちゅうねん、なんやねん、このブレイク、うはぁ〜。「ギプス」単体で聞いてたら、これ林檎やなしにCHARAでしょうがぁって思ってたりしたけど、通して聞いたら、70年臭すぎやん、まぁ当たり前といえば当たり前ですが
作家って、もっとお気楽で自由で楽しい仕事だとばかり思っていたのに、ぜんぜんそうじゃないんだなあ。やたらと評価されちゃうし、人間として正義を突きつけられるし、失敗するとバカにされるし、会ったこともない人から好かれたり嫌われたりうっとおしいし、税金と、著作権と、編集者との人間関係の心配ばかりで、ちっとも仕事ができないし。 つまんない職業だなあ。小説を書くのは好きだけど、作家という職業はもうイヤだ。ちくま書房 田口ランディの日記4/6
角川書店の滝澤君からイエス・キリストに関する資料が届く。このあいだ会って話をしたときに「イエス」の話でたいそう盛り上がった。宗教学者の彼の父上が書かれたイエスの本や、中沢新一さんのイスラム教と資本主義に関する論文など、どれもとても面白く興味深かった。ちくま書房 田口ランディの日記4/6
→2チャンネル・ネット汚物・田口ランディは盗作ゴリラPart7 →そいとごえすのB
さて今年の櫻はなかなかもちが良さそうで、ビートルの中にも櫻の花びらが舞い込んで、実のところ、助手席側のウィンドー開けっぱなしで2時間放置プレー。風流でエエでしょう、しづこころなく花の散るらんってね。