祭壇の写真はカラーできれいだった。なおの仕事のことでちょっとおかしかったけど、考えてみればこうして友人を亡くすというのは初めての経験だなぁ。たしかに脇坂とか宮井とかもういないけれど、彼らが亡くなったという話はあとになって聞いたから。 焼香で写真に面と向き合ったら、きょんとはほんのわずかしか会ったことがないのにね、なんでこんなにこたえるんだろって、じんきょんでセットだったから、2人のすることを見てたから。ボクだけやないねんけどね、あの2人を見てたのは。それくらいなんか偉かったよ。偉かったというのもなんか変だけど、うらやましいところがあったんよね。 控え室にお膳が用意してくれてあって、ORPメンバーやら和琴メンバーとか30人以上集まってた。意識的にか、「きょんはいいやつだったよなぁ」なんて話題にはならないで、ごくふつうのオフのような、まるで首都圏忘年会アゲインってとこ、違いはみんな黒い喪服を着てるってこと。なぁ〜〜んだ、みんなこういうときはちゃあんと喪服着てくるねんもんなぁ。喪服やないしにGパンにネルシャツなんてボクだけやんか。うう、社会人だなぁ、常識はずれてんのはボクだけかぁ。 じんじんさんが挨拶に来てくれたけど、なんも言えんのね、ご愁傷様ですなんてね、ボクが言うてもシャレにしかならんような気がして、ほんと偉かったよ、ペアとしてね。 2次会、ちゅうてええのじゃろか(汗) 1時間ちょっとほど近くの養老の滝で飲む。故人のことはおいてきぼりにして、あれやこれやで話の花が咲く。しかしなにひとつ覚えてない。そんでええんだよ。それが大人の防御機構のようなものかもしれない。高校生じゃないんだから。 帰りの電車で一人去り、何人か別れて行き、最後におっとさんと大塚の駅で別れてまた一人。と行っても先に帰ってるよんきちの家におしかけてくわけだから、一人になるヒマなんてほとんどないのね。それでも一人でぽこぽこおっとの出鱈目地図を片手に早稲田通りを歩く。いろいろ考えながらね、いろいろ(笑) やっとよんきち家。 「いつもよんきちさんとはすれちがいばっかりやったのにこんなときに会えるなんてねぇ」と言いながら、こうしてきょんは会わせてくれてんだなぁなんて、これは年寄りの詭弁。やっぱりじんきょんもここにおったほうがいい。ちょびも熊本から来てるんやし、ここにおったらおもろいのに。ところでゆみこさんとしゃべってたらまた世狭話がひとつ、こうしてまた人がつながって行く。