それで何をしていたかというと、ボクと二人で夜中までヤフーのオークション。そんないっぱい入札してどないすんねんというくらい。これってもう勢いというもんだね。それに欲しいなぁと思うてても、ぼんぼん値が上がって行くと、さすがにひるんでしまってたのに、「ほんまに欲しいんやったら買うてしまわんかい」とドンと背中を押されたかっこうで、落札してしまったやないの…『横尾忠則遺作集』
その『横尾忠則遺作集』や、『満足できるかな』、『修羅雪姫』がどっと到着して、一気に気分は70年代だよ。きのうも浅川マキ落札したし、その一方で浅川マキのライブ盤を引っ張り出してきて
♪〜 帰ろう、おいらが生れたあのガソリン・アレイへ
なんてね。をいをい、いまだに井上陽水だなんてやめてくれよ、なんて笑ってもいられない。でもなぁでも、こないだテレビで、たしかNHKだったか、フォーク大集合とか懐かしのフォークなんて、エエ年になったおじちゃんたちが出てきて
♪〜 あの大空へ ツバサをひろげ
なんて合唱してるのを見ると情けないなぁと思ってしまう。同じフォークならみんなで
♪〜 小便だらけの湖に あなたと二人で飛び込んで
と、がなってほしいのだよ。 その逆に6月にオフやったときにまだ20代(だよね)のオータ君がいきなり『満足できるかな』をがなりだしたのには少なからずショックを受けたんだよ。エンケンこと遠藤賢司はやっぱり永遠のロッカーだしね、それになんと言っても72年の夏に鳥取の駅でパッタリ会ったし(笑) 『ラストワルツ』で一人、ぽかぁ〜んとあんたら何やっとんの?ボクは死ぬまでやるでとGジャンで出てきたニール・ヤングの道をきちっと歩いたはる。をーをー懐かしいいねぇなんてだけの同窓会なんてまっぴらさ。そんなことをBと話してたら、うちに遠藤賢司がないのがおかしい。なんでや?あったんちゃうん。オークションで落としとこって。それなら浅川マキもだよなぁ。そう考えたらここらあたりはみんなどこかで黒いよね、やっぱり黒いのはいいよねって。
ところでTon2は何を狙っているのかというと、『21エモン』、『チンプイ』(^_^) まるまる一世代違うのだからエエけどね、でもボクが死んだら、ボクの持ってるようなの全部持ってくんだろ。ボクが(まだ元気に生きたはりますが)親父の本棚からこっそりアレとかアレをパクったのと同じように。
というコピーのすごさ。そして乗り換えた地下鉄には同じ『ニキータ』の車内吊りで《コムスメに勝つ!》の部分が《モテる30オンナの作り方》に置き換っていた。 「艶女」のルビとして「アデージョ」がふられている。ところで「アデージョ」って何語なん? たぶんきっと《あだ【婀娜】 女の,色っぽくなまめかしいさま。「ーな年増(としま)」(新辞林)》から作った造語なんでしょ。イタリア語じゃないよな。 それで、気になるのが「アデージョ」もそうだけれど、「コムスメ」「モテる」「30オンナ」というカタカナ語。古〜っと言われるだろうけれど、カタカナってのは外来語にあてられるというふうに教わってきた世代としては、をー、ここまで来たかって気になる。「パクる」とか「サボる」とかいうような遣い方はボクもよくしてしまってる。「パクる」はわからんけれど、「サボタージュ」を日本語の動詞化させたものじゃないのか。「怠ける」というのはあっても「さぼる」という日本語はなかったような気がする。それに対して「コムスメ」「モテる」「30オンナ」というのは元々、「小娘」「持てる」「30女」日本語としてあったのに、わざわざカタカナにしてるのだ。そのような遣い方が良くないなどという考えはさらさらないのだが、車内吊りの少ない語数の中でこれだけ連発されるのもなぁって気がする。
言語なんて優柔不断でいいじゃないかと思っているので、国語がどうとかいう気はあまりない。そのことよりファッション雑誌が30代にシフトされてきたほうが興味深い。それで思うのはエロビデオ界でもいっときコムスメ(=ピチピチギャル)一辺倒だったのに、最近は「熟女」モノがずらーっと並ぶ。コムスメがアヘアヘ喘ぐエロビデオが行き着くところまで行き着いてしまって、いい加減食傷気味になってるのも事実だけれど、やっぱり、結婚する気のない女、男もそうだけれど、そういう人種が増えてきて、彼女達がこぞって30代になったことによるんじゃないか。 ちょっとその当の主婦と生活社の『ニキータ』のサイトを見てみると、
だよ。うんうん、なるほど、当たり前じゃんか。「もう歳なのだから」なんて言ってる女ははなから失格。そそられない。だけれど、その一方で、《ブランドクイーン》なんて言葉が出てくるようじゃねぇ。所詮、スポンサーあっての雑誌だね。ターゲットが変ったところで、ファッション雑誌としてのつまらなさがほの見える。 ほんとの「アデージョ」は、こんな雑誌に振り回されることもなく「アデージョ」として存在するんだよっ。あ、だから《モテる30オンナの作り方》なんだ。作られた「アデージョ」ってのもねぇ、諦めた30オンナなんかにくらべりゃ、努力しようってことではるかにいいオンナだけど。 ちなみに、『ニキータ』というタイトルからすぐ連想できたことだが、
この岸田というのはどんな敏腕編集長だか知らないが、『レオン』に『ニキータ』ですか。安易すぎるだろ。お先が見えてるな。