さて、おとといのメインエベント=森山大道と石内都の対談の話に戻ります。
最初に森山大道と石内都がそれぞれに近況や写真について語って、そのあと対談、という形式になってたようなんです。まずは森山大道からなんですけどね、あとの石内都がこれまでの写真をコンパクトにまとめたDVD(別の機会に製作したものらしいが)を中心に話したのに、大道のほうは先日出たばかりの『森山大道 in Paris』を流しはするんだけれど、さっぱり自分の写真について語らない。DVDの中では「くだくだと」いっぱい喋ってるのに、実際目の前にいる大道先生はなかなか語らない。それどころか、「この(DVDを製作した)人は、たくさん喋らせて…(困ったモンだわ)」と言いながら、DVDの中で自分が喋っているパートは「流してください」と早送りさせる。そして大竹伸郎や、荒木経惟が森山大道について語ってるパートだけ、大道自身もぼおーっと眺めてる。だから、とてもつまらない。目の前に森山大道がいるのに、森山大道自身が動き出さないのだよ。とくにそのDVDはボクなんかつい10日ほど前に見たばかりで、誰が何を言ったか、結構頭に残ってたから。そんなふうに最初の3-40分は退屈に過ぎていく。ボクはっていうと、たった2メートルの目と鼻の先にいるから、大道の観察に専念する。大道はしきりにミネラルウォーターのペットボトルからコップに1cmばかりちびちび入れては飲んでいるばかりで、こんなところに座らされて、何をしゃべったらいいんだというような、まるで落ち着きのない子ども。