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うらまご/まごまご日記/まごっと/まごれびゅ/P-FUNK/maggot

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■2003/08/29 Fri■  欧羅巴食慾綺譚 (2) [長年日記]

 英語はなんとかなっても、イタ語、スペ語、フラ語はどれもからっきしダメで、これって食い物注文するときに非常に困る。カサ・ボティンなどの観光客の多いところなんかでは英語のメニューが用意されてたりしてなんとかなるんだけれど、入ったレストランの大半は現地のことばでしかメニューが用意されてない。いちおうフィッシュ?ミート?とか聞けるけれど、その程度であとは、えい、やぁ〜っと何が出てくるかのお楽しみ。

 まずびっくらこいたのが、バルセロナのノウ・サリューというレストラン。ここは2回行ったのだけれど、はじめは金曜日だったのでその日の定食。適当にこれとこれ、などと注文したら、巨大生ハムメロン。スイカほどのメロンにべろんと生ハムが乗っていて、生ハムメロンは高級なオードブルだと思っていたのに、あんなものがお昼のメインになるとは。もっともメロンと言っても、日本のように高級なネットメロンじゃなくて、瓜のようなメロン。しかし生ハムメロンは生ハムメロンなので満足。生ハムメロンなんてのは日本に入って悪しき高級化してしまったんじゃなかろか。もうひとつの定食は、かつおのような魚をソテーしただけで、かすかすして、そっちは不味かった。
 2度目にノウ・サリューに行ったときは日曜で定食なし。無難にパエリアを選んだから問題なしだったけど、その日はデザート。アレだコレだと思案、推理した結果、出てきたのはクリームブリュレ。それはいいんだけれど、もうひとつのデザートが、ドライいちじくやナッツに甘い果実酒がついてきた。これには唖然。デザートというのは、いちおくケーキ系統を予想してるのに、これっておつまみじゃないの。しかしこれが意外と美味しかったというのも不思議。

 あせったのは、ローマの2日目に行ったテレシアーネ?(THERESIANE)。ピザの窯にごうごうと火が入っているレストラン。日本のようにごたごた乗ったんじゃなしにシンプルにバジルだけのようなピザがいいと思っていたのだが、はたして隣の席の家族連れを見ると、いかにもそのようなピザを食っていた。あれだ!と、店のおにいちゃんに、「隣で食ってるピザ」と注文。ところが出てきたのは、端切れのような、なんちゅうたらエエの?煎餅みたいなピザはピザ。いちおうピザのベースに、オリ−ブオイルにニンニクをなすりつけて焼いただけのワインのあてにしかならないようなピザで、丸い形ではなくて、やっぱりツマミにするのか、一口くらいの大きさにざくざくに切られてごちゃごちゃと乗って出てきた。実はこれも隣のテーブルに、たぶんあれは2人前分くらいだったか、どーんと乗っていて、他にもいろいろと注文していたようで、ほとんど手をつけないままに、しまいには下げてくれと言ってさげてもらってたのだった。失敗、失敗。確かにピザといえばピザだけど。あわてて、カプリチョーザ(ミックスピザ)を注文し直した。

 バスティーユのシェ・ポールというレストランは、るるぶなどにも載っていて、非常に客が多くて、座った席がちょうどウェートレスの子らが料理を運ぶのに行ったり来たりして落ち着かなかった。それと客がぎっしりいっぱいで、パリに限ったことではないが、あの連中は食ってるときも静かにならへん。まぁそれはそれでエエんでしょうが。向かい合わせに座ったら、日頃食いながらでかい声でしゃべらないと聞こえなくて。食事時の会話といえば、カサボティンでちょっと離れたテーブルに座っていた日本人親子、娘が20代後半、お母さんが60近くか、食事の間、もくもくと豚の丸焼きを食ってるの、見ていて全然美味しそうやないんよ。いかにもつまらなさそうに食事をしているという風情で、ああいう類のレストランではわいわい食べる方が楽しいのに。ポール・ボキューズで食ってんじゃないんだからさ。
 話が横にそれた。あとで書くけど、前の日のモンマルトルでは二人とも魚だったので、ひとつは魚、ひとつは肉を適当に注文。いちおうフィッシュ?ミート?ぐらいは通じるのだ。魚はいさぎのような魚を丸ごとソテーにしたもの。醤油がほしい。舌平目とおぼしきものもあったのに、舌平目のムニエルなら日本で食べれるだろうとパスしたのが間違い。丸ごと焼くのなら、やっぱり日本の焼き魚にしたほうが絶対に美味しい。そして、びっくりは肉料理。これもステーキだったらバカでかいからいやだなあとステーキはパスしていた(実際、隣のテーブルででっかいステ−キを食っていたのだ)。出てきたのは直径10cmほどにどんと盛られた極く荒く挽いた生肉の山。一瞬、肉とは思えなかった。こればかりは食ったことない。だからそれは正解なのだ。わけわからないものを注文して、食ったことのないものを食べようという趣旨だから。う〜ん、これは説明しにくい。日本で言うと、ネギトロとでも言うたらいいのか。食材が生肉だからユッヶと言うたらいいのか。どっちかというとネギトロに近い。ケッパーや、ハーブがぐちょぐちょに混ぜ込まれていて、なかばペースト状になっていて、バケットにつけて食うと非常に美味しい。ところがいかんせん量が多くて、摩訶不思議な美味も早々に飽きてしまった。ああいうのはちょっとだからいいんだよ。

 モンマルトルで入ったオゥトゥールデミディ?(Autour de Midi)。はじめモンマルトルの丘に上がっていくとき、美味しそうなレストランを見つけていて、そこに行ったらいっぱいで入れなかった。ところがそこはイタ飯だったのがわかって、入れなくてラッキー。フランスのパスタは茹で過ぎで美味しくないと聞いていたから。そこで勘だけで飛び込んだのがここ。この店はメニューがなくてその日のメニューが黒板に書かれていて、でぇーんとおねえちゃんが持ってくる。話は長くなるけれど、このおねえちゃんがどいうわけか切れていて、たぶん忙しくて、客がまだかまだかとか聞いたりして、厨房とケンカ状態。ただこのおねえちゃん、頭にスカーフを巻いていて、きりっとした顔立ちの美人。そこで勝手に《怒れるフェルメール》と命名。話戻して、その黒板のメニューをまたまたアレだコレだ、きっとこれはまたあの巨大生ハムメロンだろうとか、推理。一つは魚にして、一つは肉にしようかと、いちおう念のために、これは肉やんなぁとおそるおそる《怒れるフェルメール》に英語で尋ねた。それはポークで、足のとこだと、指で足をさしたから、ん?豚足、じゃあ、これにするとやばいなとパスして、また適当に別の魚料理を注文。でもあとで思ったんだけど、フランスで豚足使った料理なんかあったか?たぶんすね肉をどないかしたもんやったんとちゃうやろか。
 さて出てきたのはスズキのような魚を薄くスライスしたものをグリルで焼いてローズマリーかなんかの香辛料を効かせたオリーブオイルをからめたもの。もうひとつは同じ魚をクリームソースで味付けしたもの。どちらもきれいに放射状に魚の身、それにつけあわせの茄子、ズッキーニを並べて盛りつけてあって、さすがフランス。残念だったのは2皿とも同じ食材だったことくらい。ことばがもうちょっとわかってたらなぁ。ちょうど座っていた席から、おやっさんと日本に連れてきたらきっともてもてになるだろう兄ちゃんが厨房で作ってるのが見えて、帰りぎわにはマーニャは厨房の方に行って「美味しかったぁ」とわざわざ言いに行ってんの。《怒れるフェルメール》も、きんきんしてるのだけれど、目が合うたびにニコっとしてたら、ボクらのテーブルには非常に愛想が良くて、ことばも必要だけど、やっぱりスマイルが大事だね。

つづく
 






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