雪よりも密やかに舞う花ビラが、 ひたと、地面を覆ってゆく。 なぜか背筋がゾクゾクする程、 妖艶な状景じゃないか。 温かい風がサッと吹いて、女が現れたら、 それはきっと桜の精だ。 もし誘われでもしたら気を付けなければ。 彼女は淫蕩で、 呆れるばかりに気紛れなのだから・・・・・・。 (c) つげ忠男