うつせみ【空蝉】 〔「うつしおみ」の転。「うつそみ」とも。「空蝉」は当て字〕(1)(ア)この世の人。生きている人間。「?と思ひし妹が玉かぎるほのかにだにも見えなく思へば/万葉{二一◯}」(イ)人間の生きているこの世。現世。世間。「?はもの思(モ)ひ繁し/万葉{四一八九}」 (2)〔「空蝉」「虚蝉」と表記したところから〕(ア)蝉のぬけ殻。[季]夏。「?の身をかへてける木の下に猶人がらのなつかしきかな/源氏{空蝉}」(イ)蝉。「夏は?なきくらし秋はしぐれにそでをかし/古今{雑体}」