国立文楽劇場の文楽鑑賞教室。今年の演目は『曾根崎心中』 一月のお徒歩で『心中天網島』道行きコース〜小春治兵衛の足跡をたどる・・・なんてやって、スタートが、『曾根崎心中』の天満屋のあったあたりだったこともあってすごく楽しみにしてた。 何回も観に行ってるわりにようわかってへんのだけど、今回の『曾根崎心中』「生玉社前の段」と「天満屋の段」では、人形遣い吉田玉女(徳兵衛)、吉田簔太郎(お初)が黒子のままなんだよなぁ。どうして? まだ下っ端だからなん? うーん、きのうのはそういえば人間国宝クラスは出てなかったよなぁ。この前の二段は黒子のままという演出意図があったん?ようわかっとらんのよね。誰か知ってたら教えて。いちおうあちこちのサイトも調べてみたんよ。それであの「この世の名残り、夜も名残り。」の「天神森の段」になると、人形遣いは顔を出してる。人形遣いの人が変わったのか、解説ラジオも借りてもらってたんだけど、この段はしっかり自分で楽しもとイアホーン外してたから、誰がやってたんかもわからん。パンフレットには、「天神森の段」だけ変わったというふうには書かれてないしなぁ。 さていよいよやっぱり「天神森の段」でしょ。《この世の名残り、夜も名残り。死に行く身をたとふればあだしが原の道の霜。一足づつに消えて行く夢の夢こそ哀れなれ。》 と、30年も前に覚えたフレーズがやっとのことで生の太夫の語りを聞けると思うともうわくわく。三味線も、太夫も四人ずつ。おとどしに観た『心中天網島』では六人ずつで、道行なのにやたら派手っぽくて、思わずファンクぅぅ〜!! でもゑっ?って思ったけど、きょうみたいに四人ずつってくらいが丁度いいかも。『心中天網島』ではその派手さに気圧されてしまってた。きょうは前から4列目のほぼ真ん中だったせいで人形がよく見えて、人形の艶っぽいことといったらなかった。女の頭は全然動かないのに、微妙に表情が変わって見えるんだよなぁ。心中するのに、お初と徳兵衛の二人の体を結わえるんだけど、その帯を二人が引きあって顔を見合わせるシーンなんてもうたまらん。生身の人間以上のすごみがね。 ところで、いまこれ書くのに、あちこちのサイトを見てたら、《何年か前に目にした研修生募集のキャッチコピーには「あなたも人間国宝になれる」…なかなかいいでしょ♪。そ。文楽の後継者は、世襲制ではありません。》とな。そうでしょ、そうでしょ(笑←significant)