お嬢様と話をしていると、急に「奥さんに指輪買うたげたことある?」と聞く。何をまた聞きだすねんと思うたら「友達が彼氏に3万もする指輪買うてもらいやって、そんなん別れたらイヤやんなぁ。別れたらその指輪どうすんねんやろ」 ふっと何かの映画で指輪を海に向かって投げ捨てるシーンがあったなぁと思いながら「そんなもんほってしまうんちゃうか」 う〜ん、3万もする指輪を買うたるかぁ。それもまともな稼ぎもないお坊っちゃまがいくらラブラブだからって3万もする指輪。高い、安いの問題じゃないんだよなぁ。確かに稼ぎのないお坊っちゃまが3万も出すということにアホくささをおぼえるけど。「3万の指輪って、ブルガリ? あ、ブルガリならもっと高いか」「カルチェ」 けっ、なんか貧しさを感じてしまう。それが買えるから、買えないから、貧しいのでなくて、カルチェだから3万も出すという愛の表現の仕方にとてつもなく貧しく感じてしまう。 そんなカルチェよりずっと高い指輪を買ってやったことあるけどね、「なんぼしたん?」と聞かれて、まともに値段を言うておこられた。「なんでそんな高いのん買うん?」そのくせちゃっかりその指輪と同じデザインのシルバーの指輪を作ってもらってきてた。その高ぁ〜い指輪と2本挿しにするとますますかっこよくなった。