「これで自分と彼女との関係は一段落を告げた。三十六にもなって、子供も三人あって、あんなことを考えたかと思うと、馬鹿馬鹿しくなる。けれど……けれど……」
をー、こりゃ、不倫の話じゃんかよ。なるほど、三十六の妻子持ちの男が、若い女に「せん、せんせ」と言わせて、おふとんの上で....なるほど文学史というものはエロいのだ。すべからく文学史に登場する作品というのはエロいのだ。ふむふむ、なになに、□□□□□で○○○して□□□□□□□□□だから○○○○○○になって、△△△△の□□□が○○○○○○○となるから□□□ をー、そういうわけで『蒲団』なのね、若い女の匂いがする、くんくんくんと嗅ぎまくった男、知っております。キミだよ、キミ。ボクではありません。 やっぱり上手いねぇ、文章。いまのどこぞの売文屋みたく、すこすこでなくみっちりつまって、しかも小さい活字で上下二段。ぎゃふん。
「時雄の其の夜の煩悶は非常であった。欺かれたと思うと、業が煮えて為方がない。否、芳子の霊と肉?其の全部を一書生に奪われながら、兎に角其の恋に就いて真面目に尽したかと思うと腹が立つ」
いいねぇ、このねちねちした文体。有無を言わせないんだよなぁ。されど文学史なのであった。