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うらまご/まごまご日記/まごっと/まごれびゅ/P-FUNK/maggot

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■2001/04/08 Sun■  [長年日記]

赤坂真理
蝶の皮膚の下
 「女はやっぱり優しくないとダメです。はい。彼女は自分のことしか考えてないです」
 再び渋谷に戻ってくる。憎いねぇ、渋谷で会うこともできたのに、わざわざ渋谷から引っ張り出す演出っていうか、渋谷なんかのどっかの店でだべってるよりずっと効果絶大っしょ。そうなんやぁ、60なってからのほうがいい仕事してるって、もう張りあう気にもなれないにすごいのだ。だよなぁ、もうすぐ50だって、納得してしまってたらダメなんだよねぇ。自分から動いて、走って、走り続けないとダメなんだよねぇ。
 「まごさん、・・ちゃんだったでしょ」と、満員電車の中で、声には出さないが、口がそのように動いている。あまりの唐突な図星におもっくそたじろいでしまってる自分。
 「変だと思ったんだよぉ。なんであのとき突然まごさん現れたのか。誰に聞いたのか言えないですけどね。そう教えてもらってなるほどってわかったんですよ」
 あぅーーっち(x_x;) くっしょーたぶんあいつだな、漏らしたのは。まぁ、いっかぁ。しゃあないって。
 「去年のP-FUNKのとき、チキやん、ちゃんと目撃してんだよなぁ。そんでアレだから、チキやん、気ぃつくかと思ったけど、気ぃつけへんかったって(笑)」
 「チキやん、そんなのわからんっしょ」
 バイトに出ていくのをぼんやりと寝ぼけていた。やっと起きたけれど、朝食べるパンもなかった。冷蔵庫を開けると、焼きそばの玉がいくつも入っている。表に出てコンビニを探して歩く。結構遠かったな、コンビニまで。菓子パン2つとヨーグルトドリンク買って、またマックに向かう。MOに退避させたデータを戻して、写真屋をインストールしたら、アップデート版だった。ちっ、しまった、アップデート殺しもってくるの忘れてら。チキやんと連絡とって2時半に新宿の約束。
 ウィンドーズはやっぱりわけわからん。ほんとよくこんなもの使ってら。HDの空きが10%切ったら、そら動作は不安定にも ? あ、そうなん、あ、ほれ、どこだっけ両国かぁ、そ、そ、あのとき両国だとか言うてたやん ? なるやんと、手当たり次第、不要なアプリを外していく。ばしばしばしと削除。そのたびに、この機能拡張(とは言わなかったな、ウィンは)を削除してもいいですか、とうるさいのだ。さっさと削除するもんは ? 丸尾、わぁーこれいいねぇ。あ、これ、元ネタはアレなんだよねぇ。うん、うん。 ? 削除してくれ、とビシバシ、yesの返事をする。と、勢いあまって、他のアプリでも共通に使ってる機能拡張まで削除してしまったみたい。くぅーーー、たまらん。どないして再インストールすんだぁぁぁぁぁ、あーぁ、もうイヤ。なんで ? これ、ボッシュのアレだよね、あ、やっぱり、ボッシュの影響が云々って書いたぁるやん ? こんな使いもせんアプリをプリインストールして売るんだ。ああうう、ボク、もう寝んどぉ。眠たくてたまらん。
 光が渦をまいている。エアロビクスやってるせいか、ぴょんぴょんハイインパクトに跳びはねて踊る。いくつもの光が顔の上を通り過ぎる。
 「する?」「なにを?」

 航の中にいるようだと、最後に思った。私は限りなく沈んでいく。航の肩の皮膚の下で、彼の羽とともに、来るべき羽化の時を私は待つ。銀色の蝶のひとつが私の中に入って私になった。私は苦しくなかった。同じ瞬間に、ひときわ強い鼓動が脈打って、水面の蝶のすべてが、痛いくらい眩い光とともに放たれ飛んだのを見た。視界一面蝶で、蝶はあまりに数が多く重なり合っていて、なおかつ距離が近すぎたので最初蝶とはわからなかった。駝鳥のショール、せいぜいそんなものが想像の限界だったが、それらは生きてひとつひとつ独立して動いた。それぞれに、先を急ぎ天を指していた。彼らは大群をなし無数の羽で私の全身を撫で上げ押し上げる。目を閉じると世界は泡と化し自分もその一つになる。
 


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