富岡の作品は、愛だの恋だのの幻想の一切がない、ただの欲望、動物と同じセックスを迫ってくる耳も聴こえず口もきけない男とのかかわりを書いている。 「なぜ、この男が明日もくるのか、どうしてこれからも、この男のいいなりになっていかなくてはならないのか」。 未来永劫男と女のくりかえす果て無きセックス。逃れられないそのことへのなぜ、なぜ、という問い。 ―『富岡多恵子★逸脱する「詩」の冒険』