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うらまご/まごまご日記/まごっと/まごれびゅ/P-FUNK/maggot

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■2005/02/06 Sun■  「人の家、写さんとってくれるか」 [長年日記]

 朝、キャサリンにかかってきたバカでかい携帯の声に起こされる。まだ9時半やんか。あ、これなら京都まで行ける、天気もぼちぼちよさそうだし、と思いながらも、二度寝してしまう。次に起きたら12時前だ。あっちゃっちゃー。それでもじっとマックの前にすわってるのはもったいないので、さっさと家を出た。さて、きょうはどっち向いて歩き出すか、何も考えてない。先週は右へ行ったから今週は左、その程度。あんまり南向いて歩いてないので、とにかく南向いてと思いながらも、ぐにゃぐにゃぐにゃぐにゃぐにゃぐにゃぐにゃぐにゃぐにゃ、なんのことはない、自分の少年時代を巡る彷徨となってしまった。坂を上がって、また坂を下って、そしてまた坂を上がって、と、文化住宅が廃屋になっているではないか。というわけで、カシャカシャやって、再び歩いていると、小学校の時に通った習字の先生の家が廃屋になってしまっていて、表の木が伸びるにまかせて廃屋そのものを覆い尽くしていたのだった。ちょっと感慨深く写真していると、取材なんだろうか、カメラ機材を持った二人連れが廃屋をしげしげ眺めながら通りすぎて行った。気の毒に、こういうときは先に写してるところに、あ、いいポイントありますねぇと割り込んでこれないっしょ。また日をあらためてください。そこからまた行くと、もう3年前に歩いたときに見つけた廃屋がまだそのまま残っていた。どうもきょうは廃屋にばかり行き当たる。その廃屋、隣近所の迷惑となっているらしく、表には、さっさと処分しろ、法律に訴えるぞとの旨の貼り紙が何枚か。3年前にもベタベタと貼られていた。まさか貼り紙はそのときのものであるはずがなく、その後もずっと係争中のようである。そういうことはおかまいなしにカシャカシャ写真していると、その左側の家の前につながれていた犬がワンワンとうるさい。あまりにうるさいのでおばはんが出てきたじゃないか。が、そのおばはん、ボクにでしょー、迷惑なんですよねー、どんどん写して世間に晒してやってくださいよ、などとは言わないまでも何言うでもなく引っ込んだ。なおもカシャカシャしていると、何やら喚いているおばはんがいる。先週の反省にも関わらず、きょうもiPodで武装して出撃してきたものだから、何を言うてるかわからない。ヘッドホンを外して「何?」と聞くと、「人の家、写さんとってくれるか」と言って、その廃屋の右側の家に戻って行った。いちおうそういうときは「すんません」と立ち去るのが礼儀というものなんだが、どうも新しく横に家を建てたものの、元の家は放置したまま、朽ち果てるにまかせているようで、たぶん撤去費用が惜しいんでしょ。またしてもぐにゃぐにゃぐにゃと住吉っさん通り抜けて、墨江から安立。さらに大和川まで渡って堺に入って、ああ、もうどうとでもなれと冬の寒風に吹き飛ばされながら、たどりついたは堺東。その間にも廃屋が3ヶ所か、4ヶ所かあって、さしずめきょうは廃屋の当たり日。ちらっと廃屋があったりすると、それはそれでいいんだけれど、どうもきょうは斜陽気分になってよろしくない。おまけに先週ほど寒くはないのだが、いっこうに日が射してこないので、光もいまいち。もっと明るい写真を写したいぜ。


work glove


■2005/02/03 Thu■  「写真、撮ったやろ、こらっ!」 [長年日記]

 大正内港。さっきまでまさに低く雲がたれ込めた寒い冬空からずいぶん西に傾いた太陽が現れた。ラッキー。この1時間ほど少し落ち込んでいた気分が一気に上がってくるのがわかる。とにかく堤防の上に上がれるところをさがして、ぎっしりと詰まった船だまりに目を向ける。ボクの好きなオブジェがそこここにひしめきあって見える。ロープ、タイア、錆びついた鉄の固まり、水に浮かぶゴミ......狂ったようにシャッターを切りまくる。手当たり次第。すべてのものたちが刺激してくる。
上面が真っ平らな、まるで航空母艦のようなボート(何に使われているのかわからない)が何艘も係留されている。その向こうで中学生か、エアガンでギャングごっこをしている。それにもレンズを向けた。そうして引き上げようとしたところに後ろのほうから怒鳴る声が聞こえる。
「おい、こら」
回りにはほとんど人がいないので、その怒鳴り声はボクに向けられているらしい。振り返って、オレか?という顔をしてやると、
「写真、撮ったやろ、こらっ!」
をっとっと、やっぱりヤバいっすか。1枚だけ20mほどの距離にまで近づいて堂々と構えて撮ったのが見つかったらしい。あとで写ったのを見ると、しっかりこっちを向いてやがる。クソガキが何えらそうな口きいてやがんねんと思いはしたが、最近のクソガキは何をやらかすか知れたもんじゃない。ヘタに逆なでしたらほんまにやばいと、
「撮ってへん、撮ってへん、あっちのほうとそっちのほう撮っただけ」
と誤魔化し、まだじゅうぶんな距離があったからさっさと退却。背中ではまだなにか喚いてはいたけれど、ここで走って逃げたら、クマみたいなもんだから落ち着いて退却。防波堤を越えて、連中の姿が視界から、つまり連中からもボクは視界から消え去ってほっと一息。くわばら、くわばら。
ところできょうはiPodで聞きながらうろうろ歩き回っていたんだけれど、実際ipodで耳を塞ぐのは写真を撮る上でもうひとつよくない。町の音を遮断してしまうわけだから、本当なら五感をフルに利かせて、空気を感じ取るべきなんだろうな。さっきのクソガキが喚いていたのも、はじめはほとんど聞こえてなかったのだ。
ちょうど日も沈みかけてきた。夕方の強い光はきょうはそう期待もできない。それでもまだ何かを嗅ぎ回るように泉尾から43号線脇の歩道橋で浪速区に戻り、ナンバまで歩いたらさすがに疲れたよ。それでもまだメモリ余ってたから、歌舞伎座裏のラブホ街でみだれ打ち。
アセンスに寄って、蜷川実花のでっかい写真集mikaとコヨーテの創刊号を買う。それを持ってスタバで休憩しながら、コヨーテを見る。森山大道がパリのクリニャンクールで撮った写真がやたらかっこいい。そうしてその時の話を読んでいると、ボクなんかまだまだ甘チャンなんだと思えてしまうのだった。







■2005/02/02 Wed■  ドラえもんおったらええなぁ。タイムマシンほしいねん。タイムマシンに乗って未来に行ったら… [長年日記]

 おとといに、「あとの256Mの分はあした」と書いておきながら、きのうは秋葉さんが復活したおかげで遊んでしまった。メモリの初期不良だったらしくて、DVDのドライブの読み込みエラーじゃなくて、読み込んだデータを中継するメモリがエラー起こしていたという。ほんまこの1ヶ月のボクの悪戦苦闘は何やったんと言いたいけれど、動いたらええねん。意外とさばさばしたもんでしょ。

 さて大阪製鋼所のスクラップ置き場はそれはすごくて、スチール缶を1m立方に押し固めたキューブがいくつも積み上がっていたり、何かの型を抜いたあとの廃材だったり、銅線、いや鉄線だったり、あれは何だろう、大きな風呂釜のような厚さが10cm近くある鉄の塊が茶色く錆びついて置かれてる(放置されてる)。それらに囲まれると、異空間に投げ込まれたようで夢中になってシャッターを押していた。
 工場の裏手の人気のない道を歩いて行くと、今度はかつては文化住宅だった廃屋が目の前に現れた。もうたまりませんよ。朽ち、崩れた隙間からかつての生活の痕跡が覗いている。張り出したトイレの角などが崩れて、白いタイルなんかが見えたりする。人気のないことをいいことに侵入してやろうとしたのだが、誰かが無人なのをいいことに倉庫がわりにしてるのだろうか、中はぎっしりつまっていて入って行けない。まぁ良識あるオトナですからね、いくら無人になった廃屋といえども、権利者がいるわけで、立派に不法侵入になりますよ。廃墟が一種のブームにはなっているけれど、そうまでムキにならなくても写真なんかいくらでも写せる。必要以上に暴きたてる必要などない。
 大正区を南北に縦貫するメインの通りに出る。殺風景を絵に描いたような風景で、とくに寒かったからますます殺風景。それとさっきまでの興奮が少し冷めてきて、どこかで軽く食べて、コーヒー休憩したくなった。何よりも手が冷たくてたまらないので、軍手を買う。100円。軍手をはめたままシャッターに触れると感触が違うのだか、そんなこと言うてられない。それとひとつの山場が過ぎ去って、写そうという衝動が引いていた。裏通りに入ってみたりしても、いまいちピンと響いてこなくなっていた。
というわけで、ちょっと寂しげなハンバーガーショップで休憩。マクドとかそういうのじゃなくて、おっちゃんとおばちゃんが二人でやっている小さな店。入ったときに他に客は誰もいない。なのに「1番の番号札でお待ちください」 てりやきバーガーに頬張りついていると、森山大道がしょっちゅうコンビニのおにぎりを食っているというのがよくわかる。何を食いたいとかは二の次になってしまうのだ。美味くもないハンバーガー。ただしポテトは熱いのが救い。
 しばらくすると、アホみたいな高校生が入ってきた。やつらもだれもいないと思ったのか、ボクを見つけてぎょっとしておった。アホみたいと書いたけれど、真性のアホらしい。一人はフライドチキンを食いながらマンガを読んでいる。もう一人はオレンジジュースを飲みながら、フライドチキンに話しかける。チキンはほとんど生返事。ドラえもんおったらええなぁ。タイムマシンほしいねん。タイムマシンに乗って未来に行ったら、毎週出るの待ってんでも、いっぺんにマンガ読めるだろ。こんな話、人が聞いてたら(ちゃんと聞いてましたよ)、カッコ悪い(というのをやつらの専門用語で何か言ってたが聞き取れなかった)なぁ。あゝ、ちょっと情けない、だいぶ情けない。

 うわっ、またまた長くなりすぎた。残りの256Mのうちの100Mも進んでない。続きはまたあした。ってほんまに書くのか。




ruin


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