何十階あるのか分からないが、こんな冷え込む朝を最上階で迎える住民が、トーストをくわえ、あるいは味噌汁を啜り、あるいは、便器に跨がっている姿を想像し、それだけで、人が勝手に生きている明朗さというのか、鈍さというのか、こっちが神妙な顔をしているのがおかしくなる。