鏡の前に立って、黒くぶら下がる性器を右手で掴むと、汗ばんでいて、その手のにおいを嗅ぐ。饐えた自分の体臭が鼻先に湿って、理子と交わらない時の自分は、一気に中年臭というのか、下り坂に入りかけて傾いた肉が焦げるにおいがする。