まごまごれびゅなどというものをここ半年やってるけど、その実、映画館は嫌いなのである。ことに最近の映画館は嫌いで、というのはお上品過ぎるから。それとひどく気ままなので、他人と同調できないという悪いクセがあって、横でむにょむにょしやがったらむかつく。かと言って、自分はむにょむにょしてたい。だいたい2時間も暗闇にじっと座ってるのが耐えられない。 しかも寂しがりなので、一人で映画に行くのは哀しい。ひとりで行くなら、エロ映画に限る!という信念をいまも貫いている。プガジャ(←古ぅ〜、そんなあったん知っとるけ?)買うて行ったら、200円だか安くなったんだよなぁ。さもなくば土曜の夜に自転車に乗って新世界にヤクザ+エロ映画3本立てを見に行く。これはなかなかよろしかった。場所柄といい、客層といい、あまりに素敵だった。ミニシアターとは対極の位置にある。ところが困ったことにボクの好きな映画というのはミニシアターにかかることが多い。ほとんどがいわゆる単館系と呼ばれるものだ。それはどうしてだかというのはわかっている。感性形成期にそれらが同居していたのだ。ミニシアターというのがなく、ロードショー館か、さもなくば場末館かで、『処女ゲバゲバ』なんてのは場末館にしかかからなかった。アニエス・バルダの『幸福』がロードショー館でなく場末館だったのだ。 考えてみればロードショー館にはほとんど行ったことがない。ほんとに数えるほどしか行ったことがない。そしてさらに考えてみると、そういうロードショー館に一人で行った記憶はない。必ず女とふたり。ロードショーは女と二人と決めている。そして、デートで映画に行くというのも、いまいち解せない。しゃべれないだろ。彼女の顔を見てたくてデートしてるというのに、なんで前方ばかり見てなきゃならないのだ。隣の女が気になって映画なんてまともに見てられないよぉ。かくして《ロードショー=くだらん映画》という公式ができあがる。いや、ほんとにロードショー館で観た映画にろくったらなんないなぁ。そういう映画は娯楽だよ、むつかしく考えすぎだよって、でもカタルシスなら他にいくらでも方法を知っている。 そうしてますます映画館には行かない。家で寝っ転がってビデオで見る。邪道と言われようとビデオで見る。