原「わたし、アレとアレが人より早かったのよね」 宇「アレとアレって、何よ」 原「わたし、小学生の頃に高利貸と呼ばれてたの。もうけがすごい」
二人とも、いわゆる「どこの馬の骨やらわからんもん」なわけです。あらかじめ社会的なidentification、いわゆるIDが失われてしまっている、また必要としてない。原田美枝子にとってのIDはじゃらじゃらとついた過去の男の家の鍵。IDなんてのは自分で証明すればいいんだよ。というより自分自身(の方法)で証明すべきことなんだよね。戸籍抄本やら住民票やら持ってこい言われて持っては行くけど、はたしてそれで自分であるということが証明されたなんて誰も思ってないのも事実であります。 とにかくくだらんidentificationが多すぎらぁな。名札ひとつにしたってそう。デパガが胸に《黒田笑》なんて名札つけてるのを見て、そのデパガにどっかで「エミさ〜ん」って声かけてくるやもしれず、「黒田笑の身内のものですが...」などと突然電話入れてコネつけようなんて男がいるかもしれず、そのほうがあぶないよなぁ。これって個人情報の一部流失だろうに。 誰に対してでも自分であることを証明する必要なんてなくて、ほれ、風俗の予約入れるのに自分の本名使うバカがいないのと同じで、ごく限られた特定の人間にだけ自分のidentificationを示せばいいでしょ。そう考えると、社会的なidentificationなんてのも風俗で使う偽名と同じレベルのものかと。