結局、簡単に言うと、レノンもジミ・ヘンもジャニスもモリソンも、そしてリック・ジェームスも見たかったなぁ、もう見れないんだなぁって心残りってわけ。と、それだけのことだ。だけど、いまここにあげたミュージッシャンはそれだけで済まないものをボクに残してってくれたのだ。
ついでの話。さすがレノンというべきか、リック・ジェームスの場合は彼の死からボクのアンテナにかかるまで2日以上かかったのに、レノンはたった数時間だった。昼にFMをたれ流してたら、突然ジョッキーがしゃべりだした。あれ、ジョン・レノンがどうしたとか言うてへんかったと、それからテレビをかけてみたら、しばらくして大騒ぎになってた。そして夜には、ロックなんてというような奴までテレビに出てきて、ビートルズだけはちがったなどとほざきやがって、じゃっかましわいとブチッ。そうして『ダブル・ファンタジー』を回してたら、レノンのたたりか、プレーヤーの回転が急に速くなったり遅くなったりおかしくなった。ちなみにうちの『ダブル・ファンタジー』はほんとにたたられていて、これに限ってプレーヤーがおかしくなったのだった。結局、それはプレーヤーを買い替えるまで続いたのだった。
8月6日 9:20AM リック・ジェームスが逝ってしまった。
せめてもの救いはロジャーや2パックのような悲惨な死に様でなく、既往症による穏やかな死だったことか。それでも介護士が死んでいるのを発見したという。介護士の世話にならなければならないほどの状態だったのか。クラックやって暴行事件で逮捕されてから、リックがひどく肥りだしたのが気になっていた。数年前にはついに日本にもやってくると言われたのに、クスリの前科のせいか、日本に入国できないことが判明、キャンセルになった。最近のリックの写真はかつてのSuperFreakの見るかげもなくぶくぶく肥って、体調があまり良くはないとうかがわせるものだった。それがクスリの後遺症なのか、キックオフするための反動だったのか。 夜になってキャサリンと二人で "Ebony Eyes" を聞いていると目がうるんでくる。キャサリンが「やっぱりアメリカにまで見に行けばよかった。」と言う。その昔、リック・ジェームスが日本に来たら、リックの部屋でお泊まりしてもいいぞ、なんて冗談言ってた。それくらいに、ボク以上に、何倍も何倍も、リック・ジェームス・フリークの彼女だから、行かせてやったらよかったなぁって、でもビヨンセならいざ知らず、リック・ジェームスならボクも絶対に行きたかった。キャサリン一人で行かせるわけにいかないか(笑) リックのオフィシャルにはこの前までライブの日程などもアップされていたのに、いまは、お葬式の日程がアップされている。そして 《 LEGENDARY MOTOWN ARTIST》・・・伝説のモータウン・アーティスト リックのレーベルがゴールディ(モータウン)であったことが、幸だったのか不幸だったのか。まさに「伝説としてのモータウン」にあって、唯一無二のファンカーだったよ。「伝説のモータウン」が「看板としてだけのモータウン」になりはて、時代の流れがリックを埋もれさせ、押し流し、溺れさせたという気がしてならない。それでもリックには自分のファンクが絶対だという自信があったんだね。そしてリックがそう言うのなら納得できた。あの逆向きの流れの中でファンクを生きてきたんだから。きっと不器用だったんだね。オヤジ(クリントン)のようにしばし逼塞してればよかったのに。もがけばもがくほどに、流れから取り残されて行った。されどファンクだったんだね。
リック・・・ファンクをいっぱいありがとう。安らかに。